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#freeze 有栖川有栖 contents #contentsx 書籍情報 plugin_html is not found. please feed back @wiki. 著者 : 有栖川有栖 発行元 : 講談社 単行本発行 : 2001.10 文庫版発行 : 2004.2 黒鳥亭、壷中庵、月宮殿、雪華楼、紅雨荘、絶叫城の6つの館を舞台に臨床犯罪学者・火村英生と作家・有栖川有栖が挑む。「館」をテーマとした火村シリーズ短編集。 収録作品 黒鳥亭殺人事件 壷中庵殺人事件 月宮殿殺人事件 雪華楼殺人事件 紅雨荘殺人事件 絶叫城殺人事件 あらすじ 1. 黒鳥亭殺人事件 火村とアリスが学生時代からの学友、天農に請われて訪問した「黒鳥亭」 ここはかつて以前の所有者であった銀行の支店長が妻を殺害したのち、断崖から身を投げて自殺したという痛ましい事件の舞台となっていた。 ところがその後黒鳥亭の所有者となった叔母から相続して、妻を早くに亡くした天農がまだ幼い娘と暮らしている今になって、自殺したはずの支店長が裏庭にある古井戸から発見されたのである。しかもそれは死後わずか一週間ほどしか経過していない変死体であった……。 2. 壺中庵殺人事件 壺中庵と名づけられた地下室で男は首を吊ってぶら下がっていた。 死体の痕跡からは偽装自殺であることは明らかであるにもかかわらず、その部屋には1階に通じる梯子を上った先の跳ね上げ式の扉以外には出入り口が存在せず、しかもその扉には内側から閂がかかっていたらしい。犯人はいったいどのようにしてこの部屋から立ち去ったのか……。 3.月宮殿殺人事件 あるホームレスが、自ら拾い集めたがらくだで築き上げた建物――月宮殿。 以前そこを訪れたアリスが、今日火村と共に通りがかったその時、月宮殿は灰燼と帰し、その主も一酸化炭素中毒で死亡していた。火災の原因は放火で、犯人は日頃からホームレス達に悪事を重ねていた高校生のグループであることも判明した。 しかし彼らは月宮殿の中には人がいなかったと主張するも、目撃者であるホームレス仲間は火事の際月宮殿の主はその中にいたと証言している。果たして真相は……。 4.雪華楼殺人事件 雪華楼と名付けられるはずであったその七階建ての細長い建物は、不況のあおりを受け、旅館としての完成を見ることのないまま放置されたいた。 そこではある若い男女が刹那的な愛を育む場所として住みついていた。ある夜、その恋人の片方――男性――が雪華楼の屋上から転落死した。その死体の頭部には自殺したにしては不自然な傷痕も残されていたが、雪の積もる屋上には彼の足跡以外の痕跡以外は発見されなかった。残された女性はひどくショックを受け、錯乱しているとも言える状態であった。二人の愛憎の果てに何が起こったのか……。 5.紅雨荘殺人事件 ある映画のロケ地として有名になった「紅雨荘」の女主人が絞殺された。しかし殺されていた場所はその女主人がもう一軒所有する邸宅であった。実はそちらの邸宅こそが本来の「紅雨荘」であり、女主人は普段はそちらで生活していたとのことだった。 ロケ地の方の「紅雨荘」には被害者の三人の子どもが――全員立派に成人しているというのに――一緒に暮らしていた。そしてその近くの家には被害者の従妹である人形作家、牟礼真広が住んでいた。三人の子どもには鉄壁のアリバイが、しかし真広は警察に対し、奇妙なアリバイを主張する。果たして真相は……。 6.絶叫城殺人事件 ホラー系ゲーム「絶叫城」中の殺人鬼「ナイト・プローラー」の名を名乗る犯人が、あたかもゲームの中の殺人鬼であるかのような犯行を繰り返し、街を恐怖に陥れていた。そんな中、捜査陣をあざ笑うかのように再び起こる犯行。遺留品や、被害者の警察へ通報からも「ナイト・プローラー」の犯行かと思われるのだが、何か不自然さを感じさせるものが……。 書評 1.黒鳥亭殺人事件 推理小説としてはトリックは少々肩透かしを食らわされたような感じです。しかしアリスたちの友人である天農の娘との掛け合いを通じて火村の不器用だが優しい雰囲気とアリスのお人好しでこれまた優しい雰囲気が良くでていると思うので、ファンにとっては嬉しく、有栖川先生初心者の方にとっては良い導入編になるのではないでしょうか。それにしてもアリスは、まだ小学校にも上がっていない娘さんと見事にがっぷり四つに組んでます。 2.壺中庵殺人事件 壺中庵で壺を被った首吊り死体。真っ正面からの密室トリック。素直に楽しめました。 現実に行なうのは難しいと思いますが、まあそれは置いときましょう。 それにしても、このような短編ながらきちんと複線が張り巡らせられているのはさすがです。 3.月宮殿殺人事件 浮浪者ががらくたで築きあげた醜くもどこか幻想的な妖麗さを湛えた建物。そしてその塔のブリキでできた尖端は月の光をきらきらと反射していた……などの描写。まさかそこにあんな落とし穴があったとは。それにしても火村先生はよく解ったなあと思います。月宮殿の秘密。広辞苑にも載ってないのに。でも、そのような方向に推理が向かった根拠はきちんと用意されていて無理がありません。 4.雪華楼殺人事件 切ないお話ですねえ。始まったときから、その終点が見えているような刹那的な共同生活。しかしその犯行現場は、どのような狡猾なトリックが使われたのかという不可能状態。と思い悩みながら読んでおりましたが……そう来ましたか。あり得ねえ……。しかしその思いにすら有栖川先生は答え――いいわけか?――をご用意なさっていました。トリックに割り切れない思いを抱いた人は、あとがきへ向かえ! 5.紅雨荘殺人事件 こちらもある意味奇抜な犯行でした。トリック自体はそれほど目新しいものではないのですが、自分の無罪を証明するはずの目撃証言を頑なに否定する人物、何となく怪しいのに実に完璧なアリバイを持つ息子たち。動機の部分でちょっと強引さは感じましたが、これは有栖川先生の場合結構あることなので目を瞑ります。で、謎の解明部分については文句なしですが、やはり複線の張り方がうまいです。有栖川先生らしい叙情的なイントロから始まる紅雨荘の描写があんな風に核心部分に関わってくるとは。 6.絶叫城殺人事件 アイデアとしては面白いのですが、これはできないと思うのです……。 アリスは出版社の経費でのホテル缶詰中に10時間以上もゲームに浸っていてはいけないと思うのです……。 そんなことでは仕事もせずに事件に首をつっこんでばかりのフリールポライター、浅見光○氏よりもやばいです。何せあちらは事件を解決してますから。 総括 (ある種の)館をテーマにした短編集ということで、推理小説としての出来映えよりも、物語としての雰囲気を重視している感のある本だったように思います。 実は有栖川先生の本を拝読したのはこの作品が最初だったのです。昔からのクリスティファンであった私が国内ミステリにも手を出してみようと何となく手に取った、鯨統一郎先生の「ミステリアス学園」における巻末の「本格度マップ」(名前は違うかも)において、有栖川先生の作品がかなりの本格度であったこと、「日本のエラリークイーン」とも称されていることなどから、たまたま本屋で見つけて手に取ったのがこの本だったのです。 ですから初読の際は正直言って???でした。なぜこの作家がエラリークイーンなんだ? と。雰囲気はよいけど、トリックとしてはちょっと無茶なものが多いじゃないか、と。 しかし、再読したときに思いました。確かに動機も、トリックもちょっと無茶なものが多いけど、そこに探偵(火村先生)が至る過程は見事に論理的思考の積み重ねになっているではないかと。そしてその思考のネタは基本的にきちんと読者にも開示されている。確かにこれは本格推理ではないかと。ただ、この感想は再読までにほかの有栖川先生の作品を読み漁り、本当の真正面の本格推理といえる作品たちを堪能したからこそ、こういうのもアリだなと思えたのかもしれません。 感想・書評投稿 ぜひ、この書評に対するあなたのコメントをお願いいたします! こちらからどうぞ あなたもこの本についての書評を書いてみませんか? 短いものでもけっこうです。 こちらからどうぞ
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【TOP】【←prev】【FAMILY COMPUTER】【next→】 京都龍の寺殺人事件 タイトル 京都龍の寺殺人事件 機種 ファミリーコンピュータ 型番 TFC-KR5500 ジャンル アドベンチャー 発売元 タイトー 発売日 1987-12-11 価格 5500円 山村美紗サスペンス 関連 FC 京都龍の寺殺人事件 京都花の密室殺人事件 京都財テク殺人事件 SCD-R 山村美紗サスペンス 金盞花京絵皿殺人事件 3DO 山村美紗サスペンス 京都蔵馬山荘殺人事件 駿河屋で購入 ファミコン(箱説あり) / ファミコン(箱説なし)
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従量アプリ - 推理・殺人事件/100円台未満 推理・殺人事件/200円台 推理・殺人事件/300円台 推理・殺人事件/500円台 月額アプリ- 推理・殺人事件/月額
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棚田市殺人事件とは この記事は、作者柊初月本人が手掛けておりますので、嘘偽りの無い記事です。 棚田市殺人事件とは、2006年5月8日に発売された、ジャパニーズホラー?小説である。 概要 1996年8月15日起こった市民全滅殺人事件。一時は幽霊の仕業と噂されたが、人間にそんなことは可能なのか? その事件を記事にするために、日野修治は棚田市を旅することになる。 登場人物 日野修治 ただの新聞記者。棚田市殺人事件を記事にするため、棚田市にやってきた。
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【りょう】 もうこれは、私の中ですっごい衝撃的な本でした。 ミステリにはまって、すぐは読まなかったので、もういろんなとこから「すごいおもしろい!!」っていう情報は入ってきてたんですけど、ほんとにすっごいおもしろかった!!できることなら、記憶をなくしてもう一回読みたい本です。そしてこれで私は、御手洗と島田先生におちました(笑) でも実は、最初読んだとき途中で挫折しちゃって(梅沢平吉の手記にやられた)・・・。でも、なんでだかもう一回読む気になって、読んだら、あららあららという間に終了でした。 最後の怒濤の展開のところは、思わず「おおおっ!!」と声が出ました。いやマジで。島田先生はトリックもすごいけど、それの出し方がまたうまいですよね~。だから声も出る。私は読みながら、驚いて声出したり、手叩いたり、笑ったりしてるので、人様の前では本が読めません(^_^;) ミステリが好きでこれを読んでない人は少ないと思いますが、もし読んでない人がいたら、絶対!!読んでほしいと思います。
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A-Files 代表的なA-File 情報提供 A-Files 特許出願の原稿は、弁理士によって作成されたり企業知財部員によって作成されたりします。この時『このデータで正しいかご確認下さい』のごときメモを原稿中に入れたりして発明者の注意を喚起したりするのですが、そのメモは当然出願時には削除されるべきもの。そういうメモが残ったまま出願してしまったのがA-Fileです。A-Fileの発端は情報提供者Tomieさんによるものなのですが、アドバイス系、あげあし取り系、Attorney系のA-Fileと覚えて下さい。 A-Filesに収蔵された特許はまっとうなものばかりでB-Fileではありません。発明者、出願人、代理人のいずれもまっとうです。 特許実務に携わっているものにとって、A-Fileは他人事ではありません。有名出願人や有名弁理士が名を連ねています。まあ、そういうことは忘れて楽しんで下さい。 代表的なA-File 特開2002-341562 |発明の名称:感光体塗工装置および方法 概要:Tomieさんのコメント「段落番号0031の記述によれば「溶媒除去剤の材質は適当に列挙しました。」 特開2002-346249 |発明の名称:発明の内容を簡明に表したものを記載して下さい。 概要:Tomieさんのコメント「弁理士さんが発明者に最初に送っているテンプレートを間違えて出願してしまったのでしょうか。発明の名称、請求項もありがたいアドバイスの文面です。補正されず、取り下げになっていました。発明者名で調べても再度出願された形跡がありません。発明は闇に葬られてしまったのでしょうか。」 弁理士がついているとは思えないような内容なのですが、出願手続だけ代理した、ということでしょうか。これで10万とか手数料を取っていたら非道い話だと思います。なお、平成15年度の弁理士会の会長さんだったりします。 (追記2005.4.17)匿名の方から「出願時には代理人なしで(自分で)出願し、その後、下坂先生が受任した」ものだとの指摘を受けました。また「かつて下坂先生の事務所でテンプレートを公開したことがあり、それを入手した人が自分で出願したものではなかろうかと思います」とのことですが、本願の公開公報に記載の代理人である下坂弁理士と本願の記載内容との関連性は不明ですので、上記の当コメント中に不適切な部分がありましたらお詫びいたします。 特開平10-121227 |発明の名称:透明導電膜付きプラスチックフィルム及びその製造方法 概要:情報提供者のコメント「特開平10-121227には、何故かFAX送信票が記載されています。何故そうなったかはよくわかりません。原因が分かる方はおられるでしょうか?因みにちゃんと補正されているようです。」 私もどう間違えればFAXの送信票(符号の説明の次にあります)が出願書類に紛れ込んでしまうのかわかりません。代理人(楠本特許事務所)の関係者の方、是非お教え下さい。 特開平09-88351 |発明の名称:コンクリート構造物内およびその周辺の診断システム 概要:ふかいさん情報提供のA-File。「【請求項6】 請求項1、2、3、4または5において、診断対象は、コンクリート製の床版,橋脚,道路,法面,天端(意味不明です),トンネル壁,橋梁の踏掛版等のコンクリート構造物の内部あるいはその周辺の空洞等の発生状況であることを特徴とするコンクリート構造物内およびその周辺の診断システム。」意味不明ですって、あんた。 特開2000-39831 |発明の名称:ホログラフィ―デ―タ記憶の方法および装置 概要:ふかいさん情報提供のA-File。「または記録媒体から発して10(訳者注:この数字は意味不明)参照焦点で集まり]」外内のケースなんですけど、記載不備が指摘されたらクライアントになんて知らせるんでしょうか。 ふかいさんのA-Files |ふかいさんから情報提供を受けたA-Fileです。 TomieさんのA-Files |Tomieさんから情報提供を受けたA-Fileです。 情報提供 【公開番号】特開2005-76795【発明の名称】3摩擦係合要素同時係合型変速装置【出願人】トヨタ自動車株式会社**********【請求項12】~前記第2の遊星悪魔 装置の間に位置し、~**********遊星悪魔装置だって! おそろし~い!第3以降の遊星悪魔装置が無いことを祈る。 -- 天使ガブリエル (2005-07-07 17 27 11) 【特開2005-176282】キヤノン株式会社【請求項8】前記処理手段は、前記ディレクトリ情報を持たない前記記録媒体が前記メディアスロットに接続されたときは、該記録媒体内にディレクトリを作成することを特徴とする請求項1から7のいずれか1つに記載の撮像装置。…実施例にないので、追加しておいてください 。-- 名無しさん (2006-04-26 16 27 40) 特許出願の番号 特願2002-190896起案日 平成16年12月24日特許庁審査官 山下 達也 9645 5L00特許出願人代理人 鈴江 武彦(外 6名) 様・請求項1の「(以下同様に修正してください)」は誤記ではないか。-- 代理人7人もいるのに (2006-04-26 17 30 25) 【公開番号】特開2007-100107 【出願人】 【氏名又は名称】ザ ルブリゾル コーポレイション 【代理人】 【弁理士】 【氏名又は名称】山本 秀策 【特許請求の範囲】 【請求項1】 本願明細書等に記載されるような 、グリース組成物。 --山本先生得意の「本願明細書等に記載」クレームです^^ -- 名無しさん (2008-07-15 17 30 58) 【公開番号】特開2008-141214 【出願人】 【氏名又は名称】ピーピージー インダストリーズ オハイオ, インコーポレイテッド 【代理人】 【弁理士】 【氏名又は名称】山本 秀策 【特許請求の範囲】 【請求項1】 本願明細書に記載されるような、シリカベーススラリー。 --「本願明細書に記載」クレームもあります^^ ; -- 名無しさん (2008-07-15 17 38 46) テレビ電話でエッチな女性とつながる http //www.passionblue.biz/program.php?p=169 素人女性24時間待機中 -- テレビ電話エッチ (2010-08-21 00 07 10) 名前 コメント
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「現場はここね!?」 ドアを蹴破って登場すると、容疑者たちはみな私を見た。 驚き、怪訝、厄介者が現れた――、三者三様の面相だ。 この三人のうちの誰かが犯人なのかは、まだわからない。じきにわかる。 「なに? だれ?」 中学生くらいの娘が、こわもての男に小さく呟く。 男は一歩前に出て、眉ひそめて問う。 「突然君はなんなんだね?」 「そっちこそだれなのよ?」 「事故があったから呼ばれたんだよ」 すこしたじろぎながら男は答える。 事故。騙されてる。この警官は三流ね。まあ仕方ないか。 「嘘をついて・・・。いえ気づいてないの。これは事故ではなく事件よ!! でも任せて、こういうときこそ名探偵の出番なんだから!」 警察すら欺いたトリック・・・、私に見破れるかしら。 まずは犯行現場を検分しないと。 奥へ行こうとして、とめられる。 「お嬢さん、なんだか知りませんけれども勝手に入るのは、やめて」 強い言葉で窘められた。反省。 「確かに無作法だったわね。でも安心して! 安楽椅子探偵といって現場状況を見ずにわずかな伝聞だけで真実にたどり着く探偵もいるのだから。さあ事件の概要を教えてみなさいな」 「大丈夫かこの人」 「キ! だよこれキだよ」 私は事情を聞こうとするも、マナーに厳しい家庭で育ったのか、取り合ってもくれない。 確かに安楽椅子探偵と言ってしまったからな。私自身が情報を集めるのはちと違うか。 「ヨニ~」 「はいはい」 私の友人がひょいと顔出して、男に耳打ち。耳に手を当てふむふむ、うんうん、とか頷いている。かわいい。 「だいたいわかりましたよ」 「さすが我が助手!」 サムズアップして褒め称える。わが友はクールに澄ました顔をしている。 「こっから見えますかね。あそこが子供部屋、そこのお子さんの部屋です。内鍵がかかっていて密室状態でした。そこで被害者は倒れました」 「ほんとに密室?」 友は少し宙をあおいで、そして警察とぼそぼそ話する。 「あー、扉に穴が空いてます。犬用の」 「ふむふむ」 この玄関口から、確かに子供部屋の扉が見える、 そして、この事件のトリックが理解できた。 「なるほど、巧妙な手口ね」 「なにがわかったんですか? 被害者アリバイ死因なにも言ってませんけど」 「それは・・・見ればわかるわ。来て」 私は(礼儀正しく)靴を脱いで不法侵入する。 「あ待てアンタ」 待たない。現場のドアに近づく。 見ればわかる。わかってしまえば、簡単な手口だ。 しかし、見ないことにはわかるまい。探偵でなければ。 「こ、これはどういう・・・」 「簡単なトリックさ」 ドアがある。しかしドアノブはない。 「わかる?」 「なにが?」 「上」 私は頭上高くにそびえる銀色の球体を指差した。 「あれは・・・まさか」 私はドアに体当たりした。 ドアは上部のみが固定されており、内側へと開いた。 然り。 秘匿は破られた。 「この家の犬用路は人が悠々通れる。叙述トリックを使った密室殺人事件なんだ」 見上げると、巨大すぎる少女と老女が。どれだけ首まげても、その表情はうかがい知れない。 さっきまでこんなにでかかっただろうか。この名探偵に喝破され、正体見たりって感じだな。 親友は驚きあわてふためいている。 「ここの人たちが仮に殺人事件の犯人だとするなら武力を以て私たちを踏み潰してもおかしくないけれども名探偵であるなら具体的かつ確実な解決方法を思い付いていると考えるが?」 わが友よ、あせるな。 「スケール効果って知ってるか?」 「す、寸法効果?」 どうやら知らないようだ。 アメンボの足は細い。アメンボをそのまま人間サイズに大きくしたとき、あの細い足では、胴の重みに耐えきれず根元からおれてしまうという。体を支えることはできないのだ。 虫には虫の、象には象の体格がある。 つまり、だ。 「こんな大きさでは、自らを支えることもできまい」 少女と老女はぐなゎりと崩れ落ち、頭をしたたかうちつけた。自壊。 震度6に飛び上がってしまった。 。 えーっと。 「これは名探偵が真実を暴いたことで犯人が自ら死を選んだということでいいんですか?」 「あー、ん。まあ、そういうことになるのかな」 なるほど。 真相見抜かれ崖から飛び降りるパターンのすごい版か。 「たしかに家族間の殺人であればアリバイやら動機やらはなんとでもなりそうですしきっとそうなのでしょうね。この、えー、叙述トリック、ぷふっ、見事すぎて驚いてしまいましたが、ええ、まあ、これにて事件解決ってことでいいでしょうか」 「うむ。わが慧眼が恐ろしいくらいじゃ」 「では帰りましょうか」 同じ道を往復するとき、行きより帰りが短く感じるというが、今回はそうではなかった。みずからの名推理に満足していたからだろうか。 鼻歌でも歌いたい気分だ。次もどこかで殺人事件が起きないかな・・・ 親友が、私にそっと耳打ちする。 「とはいえこのような殺人事件はもうまっぴらごめんですね。もちろん、あなたももうこりごりですよね? なにせ善人なんですから人の死にちゃちゃをいれ引っ掻き回して喜ぶような性悪行為を望むはずありませんよね?」 もちろん、探偵のごときマネは、私の望むところではない。 ●ヨニ視点 親友は狂っていて、狂いの基本として、みずからの狂いに気付いていない。突然、自分が名探偵だと思い込み、知らぬ家の門戸を蹴破った。 (なにが名探偵がお前が犯罪者だ不法侵入だ) この思考を二重思考の平行線のかなたへおいやる。 思ってはならない。 それは事実になるから。 マザーテレサもそう言っていた。 この世でもっとも美しい存在と友人になってから、思考ひとつがどれだけ世界を変えてしまうのか、いやになるほど目の当たりにしてきた。 親友が突入した一軒家を、周囲から見る。 小さな中庭から、半開きの子供部屋が見える。 犬が倒れている。 犬を男が診ている。少女がわんわん泣いている。少女の母らしき人が、伏し目でじっと犬を見ている。 死んだのか、あるいは病気か。老衰か。 思い浮かべたものをそのままにする。 断定はしない。決して点と点をつなげはしない。 つながれば、それは事実となってしまう。 少しの推論も、私は私自身に許さない。 私は親友の、単純で致命的な世界改変の力を知っている。 それから逃れる術に、多少の心得がある。 考えないこと、断定しないこと、そして推理しないこと。 推理。 点と点をつなげるものが、推理。 天使が探偵小説を読んだことが、どうしようもなく破滅的なことに思えてしかたがなかった。 おもてに戻ってみると、獣医は拳銃提げた警察官になっており、少女の母は怪しげな老婆になっていた。二重思考し、かつ天使をよく知らなければ、この急激な様相の変わりに気付きさえもしないだろう。私だって全ての歪みに気付けるわけではない。 「ヨニ~」 どうやら親友は探偵ごっこをどうしてもやるつもりだ。 どのような運びであれば、事態は小さく収まるだろう。 とにかく一旦は乗ってみよう。 ワトソン役になって、すっかり警察官になってしまった男から、話を聞く。 少女が犬にチョコを与えてしまい、ぐったりした。母が気付いて、あわてて通いの獣医を読んだ。とのこと。 殺人事件でもなんでもないな。 しかし、ここで「殺人事件じゃないよ」と言っても火に油かもしれない。 妙な反論で明後日の方向に歪みが出ても困る。 警察となってしまった男に近づいて、耳に手を添える。 「ふむふむ」 もちろんなにも言ってはいない。 私はあたかも犬ではなく人が、事故ではなく事件であるかのように伝えた。とにかく分かりやすい形でこの「名探偵ごっこ」を終わらせなければならない。 ぐったりとしていた犬には悪いけれど、犬一匹の犠牲ですむならましなものだ。 本当は、どこにも影響がないといいのだけれど。 と思ったらとんでもない方向に影響が出てきた。 親友のすっとんきょうな推理により、さきほどまでごくふつうだった一軒家が、突如何十倍に巨大化した。 住人たちも巨大化している。あまりにも大きすぎる。 やば。 死。 殺される。 その想像を止めることはできない。 想像を止めることができなければ、それは事実となってしまう。 私は極めて平静を装って、しかし一息で、助けを求めた。 「この人たちが仮に殺人事件の犯人だとするなら武力を以て私たちを踏み潰してもおかしくないけれども名探偵であるなら具体的かつ確実な解決方法を思い付いていると考えるが?」 「スケール効果って知ってるか?」 その一言で、なにが起きるか理解できた。 と同時に、親友の暴走を止められず、申し訳なく思う。 おそらく、つなげたのだろう。 稚拙な推理が導きだした歪な現実を、どうにか取り繕う一本の道。 密室殺人事件と叙述トリックと巨大な家と人とスケール効果とサスペンスドラマのラストで犯人は自害することと、私の期待に答えようとすることを。 親友の勝手な認識で巨大化し、勝手な認識で自滅した命が戻ってくることはない。 これからさき、悲劇の再演がないよう、釘をさしておく。 「このような殺人事件はもうまっぴらごめんですね。もちろん、あなたももうこりごりですよね? なにせ善人なんですから、人の死に、ちゃちゃをいれ引っ掻き回して喜ぶような性悪な行為を望むはずもありませんよね?」 親友は神妙にうなずいた。真面目ったらしい顔で。 ●エピローグ 膝を折りがくがく震える警官の腰にさげられた拳銃を横目に見、リンがぽつりと呟いた。 「チェーホフの銃・・」 ヨニは切れ目をひそませる。 「どっからどうみてもチェーホフじゃないでしょこの人は日本人でしょ」 「知恵屠さんかも」 二人が去った。 散らかった現実をおさめる方法を、警官には思い付かない。 ひとつくらいしか。
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いちご殺人事件 いちご殺人事件→林檎殺人事件(郷ひろみ・樹木希林) 悲しみよ こんにちは→悲しみよこんにちは(サガン)、悲しみにこんにちは (タッチ) イチゴが好きか嫌いかなんて→いちご白書 コロンビア大学経営者がしたとされる、「学生の意見などイチゴが好きだという程度の重要性しかない」という発言との連関。 同名のノンフィクション小説及びそれを原作とする映画は当時学生闘争の代名詞となり、 日本でもヒット曲「『いちご白書』をもう一度」で知られる。
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amazonで探す @楽天で #白ゆき姫殺人事件 を探す! 映画 2014.03.29 wikipedia Hulu NETFLIX dTV PrimeVide U-NEXT TVer Paravi GYAO youtube検索 / Pandora検索 / dailymotion検索 / bilibili検索